相場放浪記

相場生活者、河内の風来坊のブログです

2016年04月

こんにちは!河内の風来坊です

立花義正(たちばなよしまさ・1900~1985)さんは、30年前にお亡くなりになりました相場師です。亡くなる前には、5億円の資産があったみたいです。30年前の5億ですから、現在ではどれぐらいの価になるのかわかりませんが、相場で相当な成果を上げられたと思います。

立花さんは、パイオニア(6773)株のみの売買益で生計を立てられました。元々電気関係の仕事をされていて(技術者)で、電気業界の事をよく知っていたのだと思います。相場の世界に入ったのは44歳の時で、唯一の著者『あなたも株のプロになれる』は、75歳の時に出版されました。

私は、立花さんの本を持っているのですが、いつ頃購入したのか?忘れてしまいました。立花さんの本を読む前から、私も1銘柄のみの売買をしていたので、共感する部分が多かったです。

本を読む前には、既に利益が出ていて自分なりのスタイルが確立していたので、本の内容をしっかりとは把握していません。興味があったので買ったのですが、自分のスタイルが崩れてしまわない様に、あえてじっくりと読みませんでした。

立花さんも最初は失敗の連続だったそうです。貯めていた貯金や奥さんの実家の遺産など全てを失い、無一文になった事もあったそうです。仕事中に、相場の失敗を思い悩んでいる内に、気が付いたら立ち入り禁止区域に入ってしまい、片足を切断する事故に遭われました。

この事故によって職場復帰も難しくなり、労災と退職金を元手に、これまでのやり方を見直し再スタートです。何を見直したのか?一言でいえば『当て屋からの脱却』です。相場の方向性を当てる事に注力していたのを、売買技術の向上に方向転換しました。

立花さんの手法は、パイオニア株の信用取引で売りと買いの両建てを行い、場帖と値板と自分で描いた折れ線グラフを元に、相場のリズムを掴みながら、売り建玉と買い建玉を増減させながら利ザヤを稼ぐ、といった手法です。

場帖というのは、寄り値(始値)・高値・安値・引け値(終値)の4本値を毎日記したものです。値板は、売買をした後に売りと買いのポジションがどう変化していったか、それにより平均値がいくらになったかを記した売買履歴です。折れ線グラフは、日々の終値をグラフに書いていく日足のグラフの事だと思います。

立花さんは、大体1ヶ月~3ヶ月ぐらいの波のリズムを掴みながら売買しているので、いわゆる『リズム取り』と呼ばれる手法に分類されると思います。リズム取りよりも、一回り大きな波(4カ月~6カ月)を掴みながら売買する手法は『うねり取り』と呼ばれています。

当時のパイオニア株は1000株単位で、売り買いともに30単位(3万株)を上限に売買されていたと思います。本には少しだけ売買譜も記載されていますので、少しだけ抜粋すると、「-」の左側が売りで右側が買いです。
-5 -10 -12 -7 -10 -5 -10 -12 ー10 -5  0  -2 -5 -10  2-10 2-12 2-15 2-20 
2-10 4-10 4-5 5-5 10-5 10-  0 
といった感じです。

立花さんの分割の基本は2・3・5・10・10です。売りか買い、どちらかが10単位ぐらいになれば、反対側に2ほど『ツナギ』を入れています。立花さん曰く『ツナギは本玉を維持する為』だそうです。そしてツナギを入れる事によって、なんとも言えない心の落ち着きが生まれてくるのだそうです。

立花さんは基本的に逆張りです。ナンピン買い下がり、ナンピン売り上がり。
ただ、時には順張りでポジションを増やす、いわゆる『乗せ』も行っています。

全体的なイメージとしては、①仕掛け(打診)を行う②分割でナンピンをする
③ツナギを入れる④更にナンピン又は乗せを行う⑤手仕舞い(売却)をする、といった感じです。『損切り』は、5%逆行ルールと書かれていますので、5%をひとつの目安にされていたと思います。

著書の最後に、30年間に及ぶ売買生活で得た大事な事を3つ挙げています。

1、自分なりの売買を行う

2、分割売買をする

3、ゼロをつくる(区切りをつける・不利な玉を切るの2つ)

私は現在含み損を抱えている身でして、自分を見つめ直す良い機会ですし、もう一度立花さんの本を読み返してみて、取り入れられそうな部分があれば取り入れていきたいと思います。そして機会があれば、また立花さんの事を取り上げたいと思います。

最後にお知らせですが、明日から5月5日まで、ブログの更新は休みとさせて頂きます。

おはようございます!河内の風来坊です

予想が外れた時に、逃げ道がない予想はリスクがあると思います。

今後、日経平均株価は下がる!と、ネガティブな予想をした場合、その後下がったら「警鐘を鳴らしてもらって、ありがとうございます。おかげで助かりました」と感謝されます。

その後上がって予想が外れたとしても、株価は上がっているので、そんなに非難されないと思います。予想した方も「皆さん、株価が上がって良かったですね」と逃げ道があります。

今後、日経平均株価は上がる!とポジティブな予想をした場合、その後上がったら「強気になれたおかげで利益になりました。ありがとうございます」と感謝されます。

下がって予想が外れた場合、株価は下がっているので、非難されやすくなると思います。基本的に下がって利益になる人よりも、上がった方が利益になる人の方が多いと思いますので。

予想した方も「皆さん、株価が下がって良かったですね」とは、なかなか言えない。外れた場合には逃げ道がないです。株価が上がって欲しい!という期待が大きかった分、反動(非難)も大きくなりやすいと思います。

他にも似たケースが色々あって、サッカーW杯で優勝候補のブラジルとブラジルより断然格下の国の試合がありました。この時のゲスト解説者は、試合前に「格下の国が勝つ」と予想しました。

当然、周りはビックリします。え、優勝候補のブラジルが負けるのですか?と。試合は3-0でブラジルの完勝でした。でも予想を外したゲスト解説者に対して、誰も非難しません。「相手はブラジルですから仕方ないですよね」で終わりです。

もしブラジルが負けていたら、このゲスト解説者はヒーロー扱いされていたと思います。優勝候補のブラジルが負ける事を事前に予想していたなんて!と。

万年Bクラスだった阪神タイガースが優勝する!と予想をして、的中した事によって全国的に有名になった占い師がいました。でも、この人は毎年、今年は阪神が優勝する!と予想していたんですけどね。

巨人が優勝する!と予想して的中しても当たり前なので誰も取り上げませんが、阪神が優勝する!と予想をして、的中したらヒーロー扱いされ、外れても「阪神だから」で済みます。

期待が大きければ外れた場合の反動も大きくなり、期待が小さければ外れた場合の反動も小さくなりますので、期待が大きい方の予想は、期待が小さい方の予想よりも、リスクが大きくなると思います。

こんにちは!河内の風来坊です

勝負の世界において、負ける原因の90%以上はミス(自滅)と言われています。90%以上ですから、ほとんどの原因がミスとも言えます。

では、ミスをしない様にするには、どうすればいいのか?

シンプルにする事だと思います。売買も相場に対する捉え方もシンプルにです。複雑にするよりかはシンプルにした方がミスは減ると思います。

野球で例えるなら、好打者と呼ばれる人たちは難しい球には手を出さないです。難しい球を打つのが好打者ではなく、ミスショットをしない様に簡単な球を打つのが好打者だと思います。

こんにちは!河内の風来坊です

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のHPを見てみました。
平成13年から運用を開始していて、27年の第3四半期(12月末)まで、
年率2.99%・累積収益額50兆2229億と書かれています。

アセットアロケーションは、国内債券35%・国内株式25%・外国株式25%・外国債券15%となっていて、株式と債券の割合が半々でバランスが取れていると思います。

一般的に株式はインフレに強く、債券はデフレに強いと言われています。インフレになれば株式は上がり債券は下がります。デフレになれば株式は下がり債券は上がります。株式と債券は逆相関の関係にあります。

アセットアロケーションとは、資産(アセット)配分(アロケーション)という意味です。アセットアロケーションによって、ほぼリターンは決まってくると言われています。

なぜリターンが決まってくるのかと言いますと、期待収益率(将来にわたり運用する事によって獲得できる平均的な収益率)を元にアセットアロケーションが組まれているからです。

定期的にリバランスも行われていると思います。リバランスとは配分の比率を調整する事です。株式が上がれば株式を売却して債券の割合を増やし、株式が下がれば債券を売却して株式の割合を増やすなどして、債券と株式の割合を維持する作業を行います。

期待収益率は、2014年10月のGPIFの資料を見ますと、国内債券3%・国内株式4.8%・外国債券3.2%・外国株式5%となっています。

国内債券の割合は35%で、期待収益率3%をかけると1.05%
国内株式の割合は25%で、期待収益率4.8%をかけると1.2%
外国債券の割合は15%で、期待収益率3.2%をかけると0.48%
外国株式の割合は25%で、期待収益率5%をかけると1.25%

これらを足すと、1.05+1.2+0.48+1.25=3.98ですので、GPIFの期待収益率は3.98%になります。

GPIFは現時点で年率2.99%と、期待収益率3.98%から離れていますが、おそらくデフレが長く続いてる為だと思います。期待収益率は債券より株式の方が高くなっていて、株式はインフレになれば強いですから、今後インフレになればGPIFの年率は高くなってくると思います。

GPIFは20年、30年といった長期的視点に立って運用されてますので、年度によっては評価損になる時もありますが、長い目でみれば期待収益率に近づいてくると私は見ています。

おはようございます!河内の風来坊です

私の相場履歴書シリーズの2回目は『下積み時代』(2002年5月~2005年4月)です。

下積み時代と言っても別に誰かに弟子入りをしたわけではなく、一言でいえば、『相場から一旦離れ、もう一度最初から勉強をして、運用資金の回復に努めた時期』です。この下積み時代があったからこそ現在の自分はあると思います。

テクニカル分析(罫線)でうまくいかなかったので、今度はファンダメンタルズの勉強をする事にしました。当時はファンダメンタルズという言葉ぐらいしか知らなかったので、資本主義とは?株式会社とは?株とは?株価とは?といった基本的な事から始めました。

投資を始めた頃は、ネット接続はダイヤルアップ接続を利用していて、接続時間に応じて課金されるので短時間しかネットを利用できませんでしたが、タイミング良く、この頃常時ネットに接続できるブロードバンドが普及してきたので、勉強は主にネットでしました。

そして、バリュー投資という手法がある事も初めて知りました。バリュー投資家のサイトやブログを毎日拝見し、わからない言葉があればメモして調べ、書かれている内容がわからなければ質問しました。

バリュー投資家のサイトやブログで質問の投稿をしている内に、気が付いたらコメント欄で色々な人とバリュー投資について論戦もしていました。まだ実績もないのに論戦できるほど、理解を深めていたのだと思います。

もちろんハンドルネームは河内の風来坊ではありませんし、当時よく投稿していたサイトは2007年頃に閉鎖されましたが・・・

資金面も、スタート時(200万円)を大きく上回る程回復してきましたし、バリュー投資やバリュー銘柄の選び方もわかったので、会社四季報を買って本格的に復帰しようと思ったのが2005年の3月です。

そして証券会社も心機一転、楽天証券から松井証券に変更して、再スタート時の資金は100万円に決めました。もっとありましたが、慣れるまで安全運転をしようと思ったからです。

私は運用資金が1000万円以上あったとしても、最初の1年間ぐらいは100万か200万円ぐらいからスタートするのが良いのではないかなと思います。最初は右も左もわからない状態だと思いますので。

次回の『バリュー投資時代』へ続きます。

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